『楊貴妃と玄宗皇帝』(長恨歌より)
 
 「比翼の鳥」
は、雌雄それぞれ一目一翼(目が一つ、翼が一つ)のため、常に雌と雄が不離一体、つまり、雌と雄の双胴で、目も雌と雄で二つである。また、地上でも雌と雄が片足づつで、二匹で二足歩行する。しかも飛ぶことが出来る鳥である。(右、一例)
 また、「連理の枝」とは、二種の樹木が交わり、各々、異なる枝を持つ。どちらかの樹木が枯れる、または、切られると枝も枯れてしまう。つまり、二種の樹木は異種同体であり、これは雌雄や男女の命の契りの象徴である。
在天願作比翼鳥 在地願為連理の枝(長恨歌)(漢文)』

 天に在りて願わくは、「比翼の鳥」を作(な)さむ。また、地に在りて願わくは、「連理の枝」と為(な)らむ。
(口語訳)
空で二人は双胴の比翼の鳥となって飛ぼう。また、地上では連理の枝となろう。(二人一緒に枯れるとも良し)長恨歌)へ

 ところで、中国最古の辞書とされる『爾雅(じが)』に次のような一文がある。
 東方に「比目の魚」有り。比(なら)ばざれば行(すす)まず。其の名、之れを「鰈(ヒラメ)」と謂う。
 西方に「比肩の獣」有り。「邛邛岠虚(キョウキョウキョキョ)」は、比(なら)び、他の「邛邛岠虚(キョウキョウキョキョ)」の為に、甘草を齧(か)み、即(も)し難が有らば、「邛邛岠虚(キョウキョウキョキョ)」は他の獣を背負いて走る。背負われる獣を「蹶(ケツ)」と謂う。(注)「蹶(ケツ)」とは蹶(ケツ)まづきながら歩く獣である。(この二つの獣を想像して見てください)
 南方に「比翼の鳥」有り、比(なら)ばざれば飛ばず。其の名、之れを「鶼鶼(ケンケン)」と謂う。地上の「鶼鶼(ケンケン)」は「片足跳び」で歩くのだが、「二人三脚」より難しい。
 北方に「比肩の民」有り。迭(たが)いに食して、迭(たが)いに望む。「一目一鼻孔一臂一脚(一つ目、一つ鼻孔、片手、片足)」の為、互いに助け合って生きる。此れ四方中国の異気なり。(これらは中国の東西南北にある異様なことと言う)

 「鰈(ヒラメ)」は「比目の魚」であり、「鶼鶼(ケンケン)」は「比翼の鳥」である。また、食物を獲るのが得意だが走れない「蹶(ケツ)」と、走るのが得意だが食物を獲るのが苦手な「邛邛岠虚(キョウキョウキョキョ)」は「比肩の獣」である。と言う。また、一つ目、一つ鼻孔、片手、片足の「比肩の民」が居る。「比肩の民」は後に「比肩の人」となり、「相思相愛の夫婦」を意味するようになった。と言う。釈名より)
 これらが「中国の話」として列挙されているのだが、魚、鳥、獣でさえ互いに不足を補い助け合っている。それが人に出来ないとすれば、人はそれらにも劣る。夫と妻、人と他者、民族と民族、国と国の関係であれ、互いに不足を非難するのではなく、互いに補いあい、助けあって、生きて行く事の大切さを伝えている。これら共助・共生の逸話が中国にあったとは皮肉である。(完)
(注)富山県と岐阜県の県境にある「有峰ダム」の森に「ミズナラ」と「シラカバ」の連理の枝が実在する。(ご覧になりたい方は連絡ください。場所をお伝えします)

昭和枯れすすき」(歌、さくらと一郎、猫バージョン)
東京枯れすすき」(歌、松原愛・聖川湧)

TILL(愛の誓い)」BELT KAEMPFERT(ベルト・ケンプフェルト)




←(ケペル先生)より


「比翼の鳥」(
イメージ図の例
(当図は、艨艟(軍船)を訪ねてより)

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連理の枝(幹)の例

韓国映画「連理の枝 Now and Forever
ミズナラとシラカバの二種による有峰ダムの連理の枝の
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「邛邛岠虚(キョウキョウキョキョ)」、「鶼鶼(ケンケン)」
「蹶(ケツ)」の
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