「夜の虹・・・マラッカ海峡にて」(テナーサックスの競演)

 
ぬばたまの 闇夜を船はマラッカに 岸の草木は霧雨(きりさめ)煙り 俄かに風のそよぎ来て 雲を散らして月出でぬ しばし気配を眺むれば  虹は右上に懸りたり 長く船乗りしたれども 夜の虹とは聞くばかり 不思議なるかな 不思議なるかな 夜の虹とは
 真夜中の スコールあがり そよぐ風 月に匂ひて 虹は出でたり
 雨の夜の そよ吹く風に 月冴えて 雲間に匂ふ 虹は出でたり
 長歌、及び、短歌二首 作 井上二士夫

 昭和四十四年(1969年)、ジャパンライン(現大阪商船三井船舶)の本船「明和丸」はシンガポールからインド洋に出るためマラッカ海峡を航行していた。深夜二時頃、ブリッジ(船橋)から機関室へ「デッキ(甲板)へ上がると虹が見えます。」と当直の二等航海士から電話があった。お蔭様で船乗り一生で見れるか見れないかの「夜の虹」を見た。幸運である。

 夜のマラッカ海峡を大型船で行く。海峡はいつも湿度が高く、いつも霧が出ていて、いつもスコールがあると思っていただけるとよい。事故を起こさないようデッドスローアヘッド(最微速前進)で進む。黒く迫る両岸のジャングルの中をゆっくり、船は海を押すかのように進む。水を切るように進むフルアヘッド(高速前進)では危険である。従って、マラッカ海峡を通過する数時間は乗組員はスタンバイ(持ち場に居て緊急時の対応に備える)である。この海峡は狭く、海流があり、対向船もあり、危険である。この中で「夜の虹」が出た。しかし、オバケや幽霊船は出なかった。ア!それと、この頃は、船が大きいせいか海賊も襲って来なかった。
(注)このページの写真は「NHKナイトレインボウ」を拝借しています。と言うのは当時、カメラを持ってなかった。しかし、虹は殆どこの写真と同じであった。そして、ほんの十数分でこの「夜の虹」は消え失せた。(今、ナイトレインボウは稀にハワイで見れるとのことである。マラッカ海峡の「夜の虹」の写真を探しています。ご提供ください。)「マラッカ海峡航海士便り)」へ
(テナーサックスの競演)マラッカの夜霧はテナーサックスの雰囲気です。
@夜霧よ今夜もありがとう
 石原裕次郎(歌)、松本英彦(サキソホン)
Aダニーボーイ サム・テイラー
Bダニーボーイ シル・オースチン                 プロフィールへ   


NHKナイトレインボウより(Nightrainbow-1)

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