『天平の道行(U)・・・旅人らは何処へ』
 世の中を何に譬(たと)えたらよいであろう。朝、舟を漕ぎながら消えて行った大伴旅人らの跡かたは何も残っていない。その程度のモノだよ世の中なんて・・・と、沙弥満誓(しゃみのまんせい)の如く「酒道の達人」の「旅人」らは酒と共に去って行った。花は何処へ行った

()(なか)を (なに)(たと)えむ 朝開(あさひら)き ()()にし(ふね)の (あと)なきがごとし
世間乎 何物尓将譬 旦開 榜去師船之 跡無如(万葉仮名)(巻三 三五一 沙弥満誓)
 世の中を何に譬えたらよいであろう。朝、港から何処かへ漕ぎながら去って行った船の跡かたは消えて何もない。人生もそのようなものだ・・・

この「大伴旅人の船」に沙弥満誓、「袖振りの別れ」の遊行婦女児嶋、大宰府で旅人が出会った山上憶良などが乗り合わせていたら、どんな船旅になるだろうかと想像してみる。これからは時空を超えたまったくのフイクションである。(「遊行婦女」とは・・・)

まず、「旅人」の「酒を讃えた歌十三首」である。
(いにしへ)の (なな)(さかし)(ひと)たちも ()りせしものは (さけ)にしあるらし
古之 七賢人等毛 欲為物者 酒西有良師(万葉仮名)(巻三 三四0 大伴旅人)
 『昔々の「竹林の七賢」も欲しいと思ったのは酒であるらしい。』この「竹林の七賢」の内の何人かをこの船に乗ってもらうことにするか。と、「船長の旅人」である。
 さて、始めに船に乗せる人を選ぶ条件を決めておこう。今のところ、「大伴旅人」のほかに、ナマグサ坊主の「沙弥の満誓」、万葉芸者の「遊行婦女児嶋」、仙人らしい山上憶良」の四人がすでに乗っているので、この四人で決めることにしよう。「まず酒が呑めること」これは外せないとして、いわゆる芸能に秀でた人歌が上手とか作詞や作曲ができるとか、踊りができる太鼓が叩ける楽器が弾ける、女性はキレイな人の方が良い、宴会もあるので色気のある人が、いや、面白い人ならよいことにしよう。しかし、どうせ酒呑みが決めるのだから酔ってしまえば何でもいいか。そうだ、酒が呑めなくても楽しい人であればよいことにしよう。しかし、酒を呑めないはどうか・・・(そんなもの決めようとするだけムダ、酔ったらどうでもよくなるに決まってる)ということになった。「なんだ!」、船に乗るのは「旅人」と同じ「酒呑みのアホ」ばかりか。それと、「四人なら麻雀」もやれるでないか。これは楽しい船旅になりそうだぞ。後ほど、うかれめ土師」なども登場し、男三人とのカラミと恋のさや当てもある。(つづく)
サントリーオールドCMソング 万葉集 それはないでショ」(ハナ肇とクレージーキャッツ)
 世は むなしきものと 知る時し いよよますます 悲しいかりけり
(巻五 七九三 大伴旅人 TOP


朝日の中を船を漕ぐイメージ
クロード・モネ

大伴宿禰旅人のイメージ画

ウカレメのイメージ女優
叶和貴子さん)
inserted by FC2 system