『万葉集と韓国語U』(意味不明の万葉歌を韓国語で)

(あかね)さす (むらさき)()()き (しめ)()行き ()(もり)()ずや (きみ)(そで)()る(巻一 二〇)
 上の一首目は額田(ぬかたの)女王(ひめおおかみ)の「あかねがさす紫の草花が生える(しめ)()を行くと、貴方が遠くで袖を振っています。野守に見つかるのが心配だわ。」である。この歌を韓国日報の記者、李寧熙(イヨンヒ)氏は万葉仮名に朝鮮語でフリ仮名を付け意味を明らかにしている。
(ごく)(どしょん)(さち) ()()(せく)(ぼる) (がね) (びょる) (ぼる) (がね) (ぼる)守者(じきしゃ) (あに)()(じぇ) (ぐぜ) ()()布流(ぼるよ)
(フリガナは朝鮮語です)

(あかね)(いろ)の股が紫色の野(ホト)を行きます。禁じられた野(ホト)を行くのです。野守は見ていないでしょうね。貴方がわたしのハサミ(両股)を拡げるのを。」つまり、禁じられた(してはいけない、許されない)情交を野守に見つからないかと心配しながらも男(大海子皇子)に股を拡げられてしまった。ということである。
 二首目は大海人(おおあまの)皇子(みこ)()した歌である。「紫が匂い立つような貴女を憎かろうはずがない。たとえ貴女が人妻であろうとも恋しないでいられない。」
紫の (にほ)ほえる (いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに (あれ)恋ひめやも(巻一 二一)

 この歌に対しても、李寧熙(イヨンヒ)氏は同じ方法で意味を明らかにしている。

(ぼら)(ちょ)(ぬん) 尓保敝類(いぼべら) 妹乎(いもは) (いる)()()有者(ろわ) 人嬬(いんさ) 故尓(ごに) () (げひ) (ぬん) 八方(ばるも)
(フリガナは朝鮮語です)

(貴女の)紫草(ホト)は愛しい。貴女を失って苦しいのだよ。(貴女が)歌を投げかけてきたので、目につかないように脇見をして知らんふりをしているのだ。」
 朝鮮語だと明らかに「額田女王」と「大海人皇子」の許されない恋である。と言っても、この二人は元は夫婦で子まで成した仲なので何の不思議もない。(完) 許されない愛(沢田研二)
(参考)
天皇遊猟蒲生野時額田王作歌(漢文)
茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流(万葉仮名)(巻一 二〇)
皇太子答御歌 明日香宮御宇天皇謚曰天武天皇(漢文)
紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 人嬬故尓 吾戀目八方(万葉仮名)(巻一 二一)
額田女王」は日本書紀には(かがみ)(のおおきみ)の娘で大海人(おおあまの)皇子(みこ)(後の天武天皇天智天皇の弟)に嫁し十市皇女(といちのみこ)を生むとある。大海人皇子(天武天皇)は額田女王の元の夫で十市皇女の父である。(ちょっとヤヤコシイが「額田女王」は兄のと弟の二人の天皇に愛されていた
「天武天皇(大海人皇子)」に替わり愛さずにいられない 」(I cant stop loving you.)をどうぞ。
 
 李寧熙(イヨンヒ)氏は日本語でも韓国語でも意味を持つ歌は類稀(たぐいまれ)で、万葉の歌以外に例を見ない巧妙な作風と絶賛している。この時代、日本人と朝鮮半島からの渡来人は、他の文献からも知れるが仲良く同居していた。古代日本人の言葉使いの巧(たくみ、優秀さ)の証(あかし)であると、韓国の方にお褒めをいただいたものと感謝する次第である。(額田女王の伊予、熟田津の船出
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