「外は雨・・・カフェバーで碁を打つ」

 私が囲碁を始めたのは中学生の時だが少しも上達しない。始めてすぐは上達し、十二才上の兄に勝つようになり、兄は私と碁を打たなくなった。その後、船会社のジャパンライン(現大阪商船三井船舶)に就職し、初めて乗船した高征丸で二等機関士から手ほどきを受けた。彼は確か二段であった。三目を置いて打つまで上達した。ということは私の囲碁の腕前は二、三級であろう。
 横浜へ住みある日、大通り公園のカフェバーへ飛び込みで入った。五百円のソフトドリンクで、コーヒー、紅茶、スープ、ジュース、カルピスなどのオカワリが出来、時間を気にせずともよい。
 このカフェバーに通ううち、客の一人と囲碁を打とうということになった。ママに許可を求めたところ快く承知してくれ、囲碁セットを買うため車で二人を連れて行ってくれると言う。駐車場へ行くと、ナント、車はベンツである。車内でタバコを喫う許しも出て男二人でタバコを喫い始めた。このベンツの屋根が開く。何とかルーフと言うのだろう。タクシーも禁煙になり、車でタバコが喫えるのが嬉しい。囲碁セットはホームセンターには無く、本屋さんで買うことになった。約一万一千円を二人で折半することにした。

 カフェバーへ戻り、まず一局ということになる。客は一級の腕前だと言うが、年の功で私が白石を持つ。碁石を持つだけで嬉しくなる。私の碁は勝負は二の次で、うまく打とうとか強くなろうとか思わない。囲碁を通して話がしたいのである。四、五十目負けた。よし、この次は黒を持ち、二、三十目の負けまでがんばろう。あわよくば大逆転で勝ってやろう。ということで、このカフェバーでの碁の初打ちを終えた。

 小雨降る 銀杏並木を 窓に見て グラス片手に 友と碁を打つ

 小雨降る 銀杏並木を あの人の 傘が消えゆく ああ大通り
 横浜大通り公園のCAFE&BARにて、平成二十四年一月
 後ろ姿)へ

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横浜港停泊中の「高征丸
ジャパンラインHPより

横浜大通り公園
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