「伊達政宗の漢詩」

「馬上少年過ぐ」(漢詩と口語訳)

馬上少年過(馬上少年過ぐ

時平白髪多(時平にして白髪多し)

残躯天所許(残躯天の許す所)

不楽復如何(楽しまざるをこれ如何せん)

四十年前少壮時(四十年前少壮の時
功名聊復自私期(功名聊か復た自ら私に期す)
老来不識干戈事(老来識らず干戈の事)
只春風抱桃李巵(只 春風に桃李の巵を抱く)

(口語訳)
 馬上少年過ぐ、時平(ときたいらかにして)白髪多し、残躯(ざんく)天の許す所、楽しまざるをこれ如何(いかん)せん、四十年前少壮の時、功名(こうみょう)聊(いささ)か復(ま)た自(みずか)ら私(ひそか)に期す、老来(ろうらい)(し)らず干戈(かんか)の(ただ)春風(しゅんぷう)に桃李(とうり)(さかずき)を抱(いだ)く(注)干戈とは戦(いくさ)のこと。桃李とは、ももとすもものこと。巵とは高杯、足の付いた杯のこと。
(平文訳)
 馬に乗った少年が目の前を通り過ぎて行く。(その少年に自らの若い頃を想い)今は戦(いくさ)は無くなり平和になった。しかし、私は白髪になってしまった。残された私の命は天が与えてくれたものである。楽しまなくてはなるまいぞ。
 四十年前の若く勢いがあった頃は、功名を立てるに、口にこそ出さなかったが、秘かに自信があった。しかし、歳を取ってしまい、戦のことなどすっかり忘れてしまった。今はただ、春風に吹かれながら、桃と李(すもも)の花の下で酒を楽しむばかりである。(つづく

「青葉城恋唄」(ピアノ演奏と歌詞) INTRO


伊達政宗
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